臨時農業生産情報 (水稲の適期刈取りに向けた技術対策) 平成22年9月3日 青森県「攻めの農林水産業」推進本部 水稲の登熟期間の気温が平年より高く経過しており、今後も気温の高い日が続くと予想されている ことから、刈取時期がさらに早まり、刈取適期の期間も短くなると見込まれるため、品質の確保に向 け、次の事項に留意して、適期刈取・適正な乾燥調製を計画的に行うようにしてください。 1 刈取適期の予測 (1)刈取り始め 刈取適期の目安となる積算気温960℃到達日(各市町村の出穂最盛期から試算)は、最も早い 弘前、五所川原、鰺ヶ沢、深浦、三戸で9月8日頃と予想される。津軽西北・津軽中央・南部平 野内陸地帯で9月8日~9月10日頃、津軽半島中部・南部平野地帯及び下北半島の一部で9月 10日~12日頃、津軽半島北部・南部北東地帯及び下北半島は9月12日~9月15日頃と予 想される。 (2)刈取り終わり 刈取り終わりの目安となる積算気温1,200℃到達日(各市町村の出穂最盛期から試算)は、 最も早い弘前、五所川原、鰺ヶ沢、深浦、三戸で9月19日頃と予想される。津軽西北・津軽中 央・南部平野内陸地帯の一部で9月20日頃、津軽半島中部の一部・南部平野内陸地帯で9月 20日~22日頃、津軽半島中部・南部平野地帯及び下北半島の一部で9月22日~24日頃、 津軽半島北部・南部北東地帯及び下北半島は9月24日~9月27日頃と予想される。 │ ○積算気温の計算方法(推定値):9/2まで本年値、9/3以降は平年値+2.5℃ │ │ ○「刈取り始め」と「刈取り終わり」の時期は、あくまでも本年+2.5℃で推定し│ │ たものであることから、今後の気温の推移と籾の黄化程度を参考に刈取時期を判│ │ 断する。 │ 表1 アメダス設置市町村の出穂後積算気温960℃及び1,200℃到達予想 │地点名 │960℃到達予想 │1200℃到達予想 │ │ │本年 │平年 │平年差 │本年 │平年 │平年差 │ │青 森 │9/9 │9/24 │15日早 │9/20 │10/10 │20日早 │ │蟹 田 │9/14 │10/2 │18日早 │9/26 │10/20 │24日早 │ │今 別 │9/13 │9/27 │14日早 │9/25 │10/13 │18日早 │ │弘 前 │9/8 │9/21 │13日早 │9/19 │10/6 │17日早 │ │黒 石 │9/9 │9/22 │13日早 │9/20 │10/8 │18日早 │ │碇ヶ関 │9/10 │9/20 │10日早 │9/22 │10/5 │13日早 │ │五所川原│9/8 │9/23 │15日早 │9/19 │10/8 │19日早 │ │鰺ヶ沢 │9/8 │9/21 │13日早 │9/19 │10/5 │16日早 │ │深 浦 │9/8 │9/18 │10日早 │9/19 │10/2 │13日早 │ │市 浦 │9/9 │9/24 │15日早 │9/21 │10/9 │18日早 │ │十和田 │9/10 │9/26 │16日早 │9/22 │10/13 │21日早 │ │三 沢 │9/15 │10/1 │16日早 │9/27 │10/17 │20日早 │ │野辺地 │9/13 │9/30 │17日早 │9/25 │10/14 │19日早 │ │六ヶ所 │9/15 │10/2 │17日早 │9/27 │10/20 │23日早 │ │む つ │9/11 │10/2 │21日早 │9/23 │10/20 │27日早 │ │大 間 │9/10 │9/27 │17日早 │9/22 │10/9 │17日早 │ │脇野沢 │9/11 │10/1 │20日早 │9/23 │10/18 │25日早 │ │小田野沢│9/12 │10/6 │24日早 │9/24 │10/22 │28日早 │ │八 戸 │9/9 │9/25 │16日早 │9/20 │10/16 │26日早 │ │三 戸 │9/8 │9/22 │14日早 │9/19 │10/8 │19日早 │ (注)9/2まで本年値、9/3以降は平年値+2.5℃で経過した場合 2 刈取り (1)刈遅れて胴割粒や茶米粒の発生による品質低下を招かないよう、出穂後積算気温を目安に、 籾の水分や黄化程度を見極めて、適期刈取りに努める。 (2)倒伏した稲は、穂発芽等による品質低下が懸念されるので、仕分け刈りを行う。 (3)品種が切り替わる場合は、機械の清掃を徹底し、異品種の混入を防止する。 │ 出穂後積算気温が増加するとともに茶米粒の割合も増加する傾向があり、また、│ │出穂後積算気温が1,200℃を超えると落等する傾向があるので、刈り遅れない│ │ようにする。 │ 3 乾燥・調製 (1)仕上がり玄米水分は15.0%を目標とし、登熟ムラによる高水分籾や未熟な籾の混入が多 い場合は、二段乾燥など水分ムラに配慮した乾燥に努め、過乾燥米や胴割粒の発生防止に努める。 (2)仕分け刈りをした籾は、別途保管し、乾燥・調製を行う。
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