臨 時 農 業 生 産 情 報 (台風15号に対する技術対策) 平成23年9月20日 青森県「攻めの農林水産業」推進本部 大型で強い台風15号は、青森地方気象台の気象情報(9月20日11時)によると、東北地方に9月21日 夜から22日にかけて接近する見込みとなっています。 今後、強風や大雨等による農作物への影響が懸念されますので、気象情報に十分注意し、次の点に留意して、 被害の未然防止と軽減に努めてください。 (事前対策) 1 りんご等果樹 (1)収穫可能なものは、速やかに収穫する。 (2)防風網を直ちに張り、破れている部分は補強するほか、りんごのわい化樹や幼木は、支柱への結束状況を 点検し、ゆるんでいる場合は再度結束する。 また、腐らん病にり病している樹などでは、強風で枝が折れたり、樹が倒れないよう支柱等で補強する。 (3)ぶどうの垣根やハウス施設等は、支柱等で補強する。 2 水 稲 (1)ほ場の水口を閉じるとともに、水尻を開け、排水に努める。 (2)はさ掛けや棒掛け乾燥など自然乾燥中の稲は、支柱等で補強し、飛散しないよう縄等で縛る。浸水が懸念 される場所では、設置場所を移す。 3 畑作・野菜・花き (1)ビニールハウスでは、ハウスが倒壊しないよう支柱を入れ、ビニールが飛散しないようマイカ線などで 補強する。 (2)ながいも・きゅうり・トマト・さやえんどうなどの支柱は、倒れないように補強する。 (3)施設周辺やほ場に排水溝を設け、排水対策に努める。 4 畜産 (1)低地や排水の悪い飼料畑は、排水溝を設けるなどの排水対策を行う。 (2)ロールベールサイレージは、ストレッチフィルムの破損を防ぐため、ブルーシートで覆う。 (3)畜舎等は、破損を防ぐため、支柱等で補強するとともに、シャッターや窓などを完全に閉める。 (事後対策) 1 りんご等果樹 (1)落下した果実は、農薬使用基準上の問題がないことを確認の上、熟度、傷の程度に応じて生食用、加工 用に仕向ける。 (2)倒木は、早めに起こして支柱で支える。枝が裂けた場合、回復可能なものは、その先の枝量を減らし、 ロープやかすがい、支柱などで固定する。 (3)冠水や浸水した場合は、速やかに排水するとともに、果実等に付着した泥を清水で洗い流す。また、傷 ついたり腐敗した果実は、速やかに取り除く。 (4)ぶどうのハウスや垣根、なし棚等が破損・倒壊した場合は、速やかに補修する。 2 水稲 (1)排水を急ぎ、適期刈取りに努める。 (2)冠水した場合には、穂発芽等による品質低下が懸念されるので、仕分け刈りを行う。 (3)自然乾燥中の稲が水に浸かった場合には、掛け替えにより風通しを良くし、乾燥を促進するとともに、 水分が高い籾は乾燥機により仕上げ乾燥を行う。 (4)高水分籾の乾燥に当たっては、胴割米の発生を防ぐため、初期の送風温度をきるだけ低温にするほ か、水分ムラが大きい場合には、二段乾燥法※を併用する。 ※二段乾燥法・・・籾水分18%程度で一旦乾燥を中断し、最低5時間以上貯留してから仕上げ 乾燥を行う方法。 3 畑作・野菜・花き (1)ながいも等の支柱等が倒れた場合は、速やかに修復する。 (2)ビニールハウス等の破損箇所は補修する。 (3)冠水等の被害を受けた場合は、排水溝を設けるなど排水対策を行う。 (4)強風や冠水等により損傷を受けた作物は、病害虫が発生しやすくなるので防除を徹底する。 4 畜産 (1)飼料畑に停滞した水は、速やかに排水する。 (2)ロールベールサイレージのストレッチフィルムが破損した場合は、破損部分直ちに補修するとともに、で きるだけ早く家畜に給与する。 (3)倒伏・折損が著しく回復の見込みがないサイレージ用とうもろこしは、速やにサイレージ調製する。この 場合、原料水分が高いので、水分70%程度になるようビートパルプなどを添加する。
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