臨 時 農 業 生 産 情 報 (融雪の遅れに対する技術対策) 平成25年3月15日 青森県「攻めの農林水産業」推進本部 津軽地方では、今冬の大雪により平年を上回る積雪量となっており、りんごの枝折やビニールハウスの倒壊等 被害が発生しています。 今後、春の農作業の遅れや農作物の生育への影響が懸念されるので、次の事項に留のうえ、融雪対策の徹底と被 害の未然防止に努めてください。 1 りんご等果樹 (1) 雪に埋もれた枝および枝先を掘り上げる。 (2) 融雪促進剤(材)を散布し、園地の融雪を早める。 (3) 裂開した枝で癒合の見込みのあるものは、傷口を密着させ、支柱などで補強し早めに塗布剤を塗る。 (4) 野ネズミによる被害を防ぐため、幹の回りの雪を踏み固める。また、野ネズミ密度が高い園地では、被害 が拡大する前に駆除対策を実施する。 2 春まき野菜、小麦、にんにく (1) 春まき野菜などの作付ほ場の融雪を促進するため、黒土や土づくりを兼ねて土改良資材等の散布を行う。 また、雪解けと同時に排水路等を設けて融雪水の排水進に努め地温の上昇を図る。 (2) 小麦は、融雪後、幼穂形成期までのなるべく早い時期に追肥し、株の回復と茎の確保に努める。追肥量は 10a当たり窒素成分で2kgを目安に、ほ場の地力を考慮して増減する。 (3) にんにくは、初期生育の確保のため、追肥栽培体系の場合には融雪後速やかに10a当たり窒素成分で5 kgを目安に4月上旬までに行う。 3 ハウス栽培(水稲育苗、野菜・花き) (1) 雪害によりハウスに歪みや破損があったり、被覆ビニールが破れている場合はパイプ等を補修し、その後 ビニールの張り替えを行う。 (2) 融雪を促進するため、黒土や土づくりを兼ねて土壌改良資材等の散布を行う。た、ハウス外からの融雪水 の侵入を阻止するため、ハウス周囲に「額縁排水溝」設置する。 (3) 水稲育苗作業が遅れないよう苗代予定地の除雪を急ぎ、ハウスでは早めにビニルを張って地温の上昇に努 める。 (4) トマトは、早めのマルチングによる地温の確保や溶出の早い肥料に一部代替し施肥体系にする等により初 期生育の確保を図る。 4 畜産 (1) 施設の融雪水対策 ① 施設周辺で作業等を行う場合は、落雪のおそれのある場所は避けるか、事前雪下ろしをする等落雪事故 の防止に努める。 ② パドックのぬかるみの早期解消と畜舎や飼料庫への融雪水の浸水を防止するめ、必要に応じて除雪や溝 きりなどによる排水を行う。 (2) 飼料作物の融雪等対策 ① とうもろこしの播種作業が適期に開始できるよう、また、昨秋播種した牧草などでは、積雪期間が長い ほど雪腐病の被害が大きくなるため、必要に応じて雪促進剤(材)を散布する。 ② 放牧地は、融雪の状況により、牧区の利用順や利用時期などを再検討する。 ■参考 ----------------------------------------- 融雪効果のある土壌改良資材 10a当たり散布量 備 考 ----------------------------------------- てんろ石灰 40~60kg 水稲育苗ハウスで使用し BMようりん(粉) 40~60kg ない アヅミン石灰 20~40kg ----------------------------------------- (その他)粒状てんろタンカル、炭の粉、融雪用堆肥、くん炭、醗酵ケイフン等 -----------------------------------------
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