臨 時 農 業 生 産 情 報 (融雪の遅れに対する技術対策) 平成26年3月17日 青森県「攻めの農林水産業」推進本部 本県では、平年を上回る積雪深となっており、春の農作業の遅れや農作物の生育への 影響が懸念されるので、次の事項に留意のうえ、融雪対策の徹底と被害の未然防止に努 めてください。 1 りんご等果樹 <りんご等樹園地の積雪状況等(3月13~14日・県内46地点調査)> りんご等樹園地の平均積雪深は73cmとなっています。(昨年3月14日の調査 では、県内134地点の平均積雪深は109cm) また、積雪深が100cmを超え、枝先が埋没している園地も一部で見受けられて います。 ① 融雪促進剤(材)を散布し、園地の融雪を早める。 ② 雪に埋もれた枝や枝先を掘り上げるとともに、剪定作業を急ぐ。 ③ 裂開した枝で癒合の見込みのあるものは、傷口を密着させ、支柱などで補強し、 早めに塗布剤を塗る。 ④ 野ネズミによる被害を防ぐため、幹の周りの雪を踏み固める。また、野ネズミの 密度が高い園地では、被害が拡大する前に駆除対策を実施する。 2 春まき野菜、小麦、にんにく ① 春まき野菜などの作付予定地の融雪を促進するため、黒土や土づくりを兼ねた土 壌改良資材等の散布を行う。また、雪解けと同時に排水路等を設けて融雪水の排水 促進に努め地温の上昇を図る。 ② 小麦は、株の回復と茎数確保のため、融雪後、幼穂形成期までのなるべく早い時 期に追肥する。追肥量は10a当たり窒素成分で2kgを目安とし、ほ場の地力等 を考慮して増減する。 ③ にんにくは、初期生育の確保のため、追肥栽培体系の場合には融雪後速やかに 10a当たり窒素成分で5kgを目安に4月上旬までに行う。 3 水稲育苗、野菜・花き(ハウス栽培) ① 雪害を受けたパイプハウス等では早めに補修する。 ② 融雪を促進するため、土づくりを兼ねた土壌改良資材(水稲育苗ハウスを除く) や黒土の散布を行う。また、ハウス外からの融雪水の侵入を阻止するため、ハウス 周囲に排水溝を設置する。 ③ 水稲の育苗作業が遅れないよう、苗代予定地の除雪や融雪促進に努めるほか、ハ ウスでは早めにビニールを張って地温の上昇に努める。 ④ 野菜・花きの定植ほ場は、早めのマルチングにより地温を確保し、初期生育を促 進する。 4 畜産 <施設の融雪水対策> ① 施設周辺で作業等を行う場合は、落雪のおそれのある場所は避けるか、事前に 雪下ろしをする等、落雪による事故防止に努める。 ② パドックのぬかるみの早期解消と、畜舎や飼料庫への融雪による浸水防止のた め、必要に応じて除雪や溝きりなどにより排水を促す。 <飼料作物の融雪対策> ① 特に積雪が多い地帯では、飼料用とうもろこしの播種作業が適期に開始できる よう、必要に応じて融雪促進剤を散布する。 ② 昨秋播種した牧草地などでは、積雪期間が長いほど雪腐病の被害が大きくなる ため、必要に応じて融雪促進剤を散布する。
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