臨時農業生産情報(台風第21号に対する技術対策)

臨時農業生産情報(台風第21号に対する技術対策)
                     平成30年9月3日
                     青森県「攻めの農林水産業」推進本部
 青森地方気象台発表(平成30年9月3日6時35分)「台風第21号に関する青
森県気象情報第2号」によると、青森県では台風第21号の北上により、4日夜か
ら5日にかけて海上を中心に大荒れとなる見込みであるため、農作物の栽培管理に留
意してください。
【事前対策】
1 共通の対策
  強風時には無理な作業を行わないようにするほか、地盤が緩み崩壊の恐れがある
 農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川などには、絶対に近寄らないように
 し、異常を発見した場合は、速やかに市町村等へ連絡する。
2 りんご等果樹
(1)防風ネットを張り、破れている部分は補修する。
(2)りんごのわい化樹や幼木は、倒木しやすいので、支柱のぐらつきや主幹との結
  束状況を点検し、補強する。
(3)ぶどうの垣根、なし棚、ハウス施設等を点検し、支柱等で補強する。
(4)収穫適期に達した果実は、速やかに収穫する。降雨時に収穫する場合は、果実
  に泥が付着しないように注意する。
3 水稲
(1)浸水・冠水被害防止のため、排水路の清掃や補修、畦畔の補強を行う。
(2)台風通過時の強風やフェーン現象により稲体の消耗が大きくなることから、可
  能なところは通水による水分供給を行い、稲体の活力保持に努める。
4 畑作・野菜・花き
(1)ほ場や施設周辺に排水溝を設けるなど、排水対策に努める。
(2)ビニールハウスやトンネルでは、倒壊したり被覆資材が飛散しないよう施設の
  点検補修を行うとともに、マイカ線や支柱などで補強する。
(3)ながいもなどの支柱は、倒れないように補強する。
5 畜産
(1)低地や排水の悪い飼料畑は、溝を設けるなどの排水対策を行う。
(2)ロールベールサイレージはストレッチフィルムの破損を防ぐため、シート等で
  覆う。
(3)畜舎等は、破損を防ぐため、支柱等で補強するとともに、シャッターや窓など
  を完全に閉める。
6 農地・農林業用施設
(1)ため池は、貯水位が高い場合には放流して水位を十分に低下させておくととも
  に、洪水吐、水門等を点検し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等の除去に努
  める。
(2)水路は、水門が適正に閉じているあるいは開いていることを確認し、通水の阻
  害となる土砂、ゴミや流木等の除去に努める。
【事後対策】
1 共通の対策
  浸水やかん水したほ場・園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。
2 りんご等果樹
(1)園地が冠水した場合は、できるだけ早く、果実や葉に付着したゴミを取り除き、
  泥を清水で洗い落とす。また、有袋果は除袋してから、これらの管理を行う。
(2)水に浸かった果実は区別して収穫する。傷ついたり、腐敗した果実は、速やか
  に取り除く。
(3)樹が倒伏した場合は、できるだけ早く起こし、支柱で支える。
(4)ぶどう等の垣根、支柱等が倒れた場合は、速やかに補修する。
(5)果実を加工用に仕向ける場合は、農薬使用上の問題がないことを確認する。
3 水稲
(1)土砂が流入した場合は、速やかに取り除く。
(2)畦畔や用排水路が破損した場合は、速やかに補修する。
(3)倒伏した場合は、できるだけ早く株起こしを行う。
(4)潮害を受けた場合は、直ちに散水し、稲に付着した塩分を洗い流す。
4 畑作・野菜・花き
(1)浸水・冠水等により損傷を受けた場合は、病気が蔓延しないよう、薬剤を散布
  し、防除に努める。
(2)ながいもで「穴落ち」した場合は、速やかに修復する。
5 畜産
(1)畜舎が浸水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。
(2)ロールベールサイレージのストレッチフィルムが破損した場合は、破損部分を
  速やかに補修するとともに、できるだけ早く家畜に給与する。
(3)冠水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。
6 農地・農林業用施設
(1)農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報
  告する。
(2)被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、シートで
  被災箇所を覆うなど、被害が拡大しないよう努める。
0903臨時農業生産情報(台風第21号に対する技術対策)

この記事に関するご意見・ご質問はこちらまで

facebookでシェア Xでシェア