臨時農業生産情報(少雨と高温に対する技術対策)

臨時農業生産情報(少雨と高温に対する技術対策)

令和元年7月30日
青森県「攻めの農林水産業」推進本部

青森地方気象台発表(令和元年7月30日14時00分)「少雨と高温に関する青森県
気象情報第1号」によると、青森県では、7月上旬から降水量が少なく、7月下旬から気温
の高い状態が続いています。この状態は、今後10日間程度続く見込みです。
今後の気象情報に注意し、次の事項に留意して、農作物の適正な管理に努めてください。

1 水稲
(1)出穂・開花期は、稲が最も水を必要とする時期になるので、開花・受精に支障
がないよう入水する。用水が不足している場合でも、田面が乾かない程度にかん水し、
可能な限り湿った状態を保つ。
(2)出穂後6~10日の期間に高温になると、胴割米などが発生し品質が低下しや
すくなるので、開花が終了した水田では、水の入替えなどで水温の上昇を防ぐ。
(3)水不足が予想される地域では、輪番取水制の実施等により、計画的な用水利用
に努める。また、排水路の水が再利用可能な地域では、必要に応じてポンプ揚水
等を行い、効率的な水利用に努める。
(4)斑点米カメムシ類の適期防除を徹底する。

2 畑作・野菜・花き
(1)転作大豆では、ほ場が乾燥している場合は、うね間かん水を行う。
(2)ハウス等施設栽培では、換気や遮光資材などによる温度管理を徹底する。
(3)野菜・花き類では、生育に応じた追肥とかん水を行い、草勢を維持する。ま
た、収穫は、涼しい時間帯に行い、収穫物は直射日光が当たらないようにするな
ど鮮度保持に努める。
(4)野菜類のは種や定植はできるだけ夕方に行う。また、極端に乾燥しているほ場
では、かん水後に行うか降雨を待って行う。
(5)高温・乾燥が続くと、ハダニ類、アザミウマ類、アブラムシ類等の発生が多く
なるので、早期発見、早期防除に努める。

3 りんご等果樹
(1)りんご及びももでは、高温・晴天が続く場合は、日焼け果の発生を防ぐため、
徒長枝の整理、支柱入れや枝つりなどを控える。
(2)ハウスぶどうは、換気などによる温度管理を徹底する。
(3)苗木や若木は乾燥の影響を受けやすいので、園地の状況を確認し、乾燥してい
る場合は1m2当たり20リットル程度をかん水する。
(4)草からの蒸散を防ぐため、草刈りをこまめに行い、樹冠下に敷き草をする。

4 畜産
(1)畜舎の防暑対策
ア 窓を開放したり換気扇や送風機を利用して、舎内の風通しを良くする。
イ 日除けの設置や屋根への散水等により舎内温度を下げる。
(2)家畜の飼養管理
ア 飼料給与は、朝・夕の涼しい時間帯に行うほか、給与回数を増やすことで乾
物摂取量を高める。
イ 新鮮な冷水を常に飲めるよう飲水環境を整える。
ウ 乳用牛では特に、乳量や乳成分の低下を防ぐため、良質な一番草を給与し、
ビタミンやミネラルの補給に努める。
エ 種雄豚の交配は涼しい時間帯を選び、供用は週2回程度とする。
オ 鶏は、夜間に給餌する方法も有効である。
(3)放牧牛の管理
ア 放牧は、木陰のある牧区を使い、ミネラルの補給を欠かさないようにすると
ともに、新鮮な冷水が常に飲めるようにする。
イ 放牧牛の行動をよく観察し、異常牛の早期発見・早期治療に努める。

5 飼料作物
(1)草地の地温上昇や土壌の乾燥を防ぐため、
ア 牧草の刈取りは、10~15cm程度の高刈りとする。
イ 放牧地では、過放牧を避ける。
(2)施肥は降雨を待って行う。
(3)干ばつ時には害虫が多発することもあるので、草地等の巡回により早期発見・
早期防除に努める。

6 農作業(熱中症の予防)
(1)日中の暑い時間帯は作業を避けるとともに休憩をこまめに取る。
(2)通気性の良い作業着や帽子を着用し、汗で失われる水分や塩分を十分補給する。

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