臨時農業生産情報(台風第18号に対する技術対策)

       臨時農業生産情報(台風第18号に対する技術対策)
                             令和元年10月3日
                     青森県「攻めの農林水産業」推進本部

 

 青森地方気象台によると、台風第18号は本日夕方には温帯低気圧に変わり、4日
午後に東北地方へ接近又は通過する見込みです。
 今後の気象情報に十分注意し、次の点に留意して、被害の未然防止と軽減に努めて
ください。

 

【事前対策】
1 りんご等果樹
(1)防風ネットを張り、破れている部分は補修する。
(2)りんごのわい化樹や幼木は倒れやすいので、支柱のぐらつきや主幹との結束状
  況を点検し、補強する。
(3)ぶどうの垣根、なし棚、ハウス施設等は点検し、支柱等で補強する。
(4)食味や果皮色(着色・地色)を確認し、収穫適期に達している果実は、速やか
  にすぐりもぎを行う。
(5)降雨時に収穫する場合は、果実に泥が付着しないように注意する。

 

2 水稲
(1)まだ刈り取りしていないほ場では、水尻を開け排水に努める。
(2)はさ掛けなど自然乾燥中の稲束は、飛散しないように補強する。

 

3 畑作・野菜・花き
(1)ほ場や施設周辺に排水溝を設けるなど、排水対策を行う。
(2)ビニールハウスや被覆したマルチは、倒壊したり被覆資材が飛散しないよう点
  検補修を行うとともに、マイカ線や支柱などで補強する。
(3)ながいもなどの支柱は、倒れないように補強する。

 

4 畜産
(1)畜舎に雨水が流入した場合に備え、早めに除ふん作業を済ませ、紙袋の飼料な
  どは浸水しない場所に移動する。
(2)低地や排水の悪い飼料畑は、溝を設けるなどの排水対策を行う。
(3)ロールベールサイレージはストレッチフィルムの破損を防ぐため、シート等で
  覆う。
(4)畜舎等は、破損を防ぐため、支柱等で補強するとともに、シャッターや窓など
  を完全に閉める。

 

5 農地・農林業用施設
(1)ため池は、貯水位が高い場合には放流して水位を十分に低下させておくととも
  に、洪水吐、水門等を点検し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等を除去する。
(2)水路は、水門が適正に閉じているあるいは開いていることを確認し、通水の阻
  害となる土砂、ゴミや流木等を除去する。

 

 

【事後対策】
1 共通の対策
(1)地盤が緩み崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川な
  どには、絶対に近寄らないようにし、異常を発見した場合は、速やかに市町村等
  へ連絡する。
(2)浸水やかん水したほ場や園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。

 

2 りんご等果樹
(1)園地が冠水した場合は、できるだけ早く果実や葉に付着したゴミを取り除き、
  泥を清水で洗い落とす。また、有袋果は除袋してからこれらの管理を行う。
(2)水に浸かった果実は区別して収穫する。傷ついたり腐敗した果実は、速やかに
  取り除く。
(3)樹が倒伏した場合は、できるだけ早く起こし、支柱で支える。
(4)ぶどう等の垣根、支柱等が倒れた場合は、速やかに補修する。
(5)果実を加工用に仕向ける場合は、農薬使用上の問題がないことを確認する。

 

3 水稲
(1)ほ場に土砂が流入した場合は、速やかに取り除く。
(2)稲が倒伏したほ場では、稲株を引き起こし、4~5株ごとに止葉の基部を束ね、
  穂発芽等による品質低下を防ぐ。
(3)冠水や倒伏で品質低下が懸念される場合は、被害を受けていないほ場と仕分け

  して刈り取る。

 

4 畑作・野菜・花き
(1)浸水・冠水等により損傷を受けた場合は、病気が蔓延しないよう、薬剤を散布
  する。
(2)ながいもで植溝が陥没したときには速やかに埋め戻す。

 

5 畜産
(1)畜舎が浸水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。
(2)ロールベールサイレージのストレッチフィルムが破損した場合は、破損部分を
  速やかに補修するとともに、できるだけ早く家畜に給与する。
(3)冠水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。

 

6 農地・農林業用施設
(1)農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報
  告する。
(2)被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、被害が拡
 大しないようシートで被災箇所を覆う。

 

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