臨時農業生産情報(高温に対する技術対策)

          臨時農業生産情報(高温に対する技術対策)

 

                              令和3年8月3日
                     青森県「攻めの農林水産業」推進本部

 

 仙台管区気象台発表(令和3年8月2日14時30分)「高温に関する早期天候情
報(東北地方)」によると、東北地方では、今後2週間程度、暖かい空気が流れ込み
やすいため、気温は平年よりかなり高くなる可能性があります。
 今後の気象情報に注意し、次の事項に留意して、農作物の適正な管理に努めてくだ
さい。

 

1 水稲
(1)出穂・開花期は、稲が最も水を必要とする時期になるので、開花・受精に支障
  がないよう5~6cmの水深を保つ。
(2)出穂後6~10日の期間に高温になると、胴割米などが発生し品質が低下しや
  すくなるので、開花が終了した水田では、水の入替えなどで水温の上昇を防ぐ。
(3)斑点米カメムシ類の発生が「多い」と予想されているので、適期防除を徹底す
  る。
(4)早期落水は品質低下を助長するので、落水の目安「乾田で出穂後30~35日、
  湿田で出穂後20~25日」を守る。

 

2 野菜・花き・畑作
(1)ハウス等施設栽培では、換気や遮光資材などによる温度管理を徹底する。
(2)野菜・花き類では、生育に応じた追肥とかん水を行い、草勢を維持する。ま
  た、収穫は、涼しい時間帯に行い、収穫物は直射日光が当たらないようにするな
  ど鮮度保持に努める。
(3)高温・乾燥が続くと、ハダニ類、アザミウマ類、アブラムシ類等の発生が多く
  なるので、早期発見、早期防除に努める。
(4)転作大豆では、ほ場が乾燥している場合は、うね間かん水を行う。

 

3 りんご等果樹
(1)徒長枝の整理、支柱入れや枝つりなどは、日焼け果が発生しないよう高温時に
  は控える。
(2)苗木や若木、わい性台樹は乾燥の影響を受けやすいので、園地の状況を確認し、
  乾燥している場合は1㎡当たり20リットル程度をかん水する。
(3)ハウスぶどうは、換気などによる温度管理を徹底する。
(4)草からの蒸散を防ぐため、草刈りをこまめに行い、樹冠下に敷き草をする。
(5)収穫は、果実温が高い日中を避けて行い、収穫した果実は速やかに冷蔵庫に入
  れるか、日陰に置くなどにより鮮度保持に努める。

 

4 畜産
(1)畜舎の暑熱対策
  ア 窓を開放したり換気扇や送風機を利用して、舎内の風通しをよくする。
  イ 日除けの設置や屋根への散水等により舎内温度を下げる。
(2)家畜の飼養管理
  ア 飼料給与は朝、夕の涼しい時間帯に行うなどして乾物摂取量を高める。
  イ 新鮮な水を常に飲めるよう飲水環境を整える。
  ウ 乳用牛では特に、乳量や乳成分の低下を防ぐため、良質の一番草を給与する
   ようにし、ビタミンやミネラルの補給に努める。
  エ 種雄豚の交配は涼しい時を選び、供用は週2回程度とする。
  オ 鶏については、夜間に給餌する方法も有効である。
(3)放牧牛の管理
  ア 放牧は、木陰のある牧区を使い、ミネラルの補給を欠かさないようにすると
   ともに、新鮮な水が常に飲めるようにする。
  イ 放牧牛の行動をよく観察し、異常牛の早期発見・早期治療に努める。

 

210803臨時農業生産情報(高温に対する技術対策)

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