臨時農業生産情報
(大雨と低温に対する技術対策)
令和4年6月3日
青森県「攻めの農林水産業」推進本部
【大雨に関する情報】
青森地方気象台発表(2022年6月3日5時43分)「大雨と雷及び突風に関する青森県気象情報 第4号」によると、青森県では、3日夜のはじめ頃にかけて大雨となる所がある見込みです。
また、竜巻などの激しい突風や落雷、ひょうによる農作物や農業施設への被害も懸念されます。気象情報に十分注意し、次の点に留意して、被害の拡大防止に努めてください。
なお、ほ場の見回り等については、危険な場所には近づかず、安全を十分確保して慎重に行ってください。
【低温に関する情報】
仙台管区気象台発表(2022年6月2日14時30分)「低温に関する早期天候情報(東北地方)」によると、東北地方では、5日頃からかなりの低温となる見込みであることから、農作物の栽培管理に留意してください。
1 大雨に対する技術対策
(1)共通の対策
ア 地盤が緩み崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川などでは、事故に巻き込まれないよう十分注意するとともに、異常を発見した場合は、速やかに市町村等へ連絡する。
イ 浸水や冠水したほ場・園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。
(2)水 稲
ア 4~5cm程度の適水位を維持しながら排水できるよう、ほ場の排水口で調節するとともに、排水路の点検・整備を徹底する。
イ 土砂等が流入した場合は、速やかに取り除く。
ウ 畦畔や用排水路が破損した場合は、速やかに補修する。
(3)りんご等果樹
ア 低地や排水不良の園地では、排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
イ 園地に水が溜まった場合は排水を行う。
(4)畑作・野菜・花き
ア ほ場や施設周辺に排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
イ 浸水・冠水等により損傷を受けた場合は、病気が蔓延しないよう、薬剤を散布し、防除に努める。
ウ ながいも等のほ場で「穴落ち」した場合は、速やかに修復する。
エ 露地で種子が流出したほ場は、再度は種を行う。
(5)畜 産
ア 低地や排水の悪い飼料畑は、排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
イ 畜舎に雨水が流入した場合に備え、除ふん作業を済ませ、紙袋の飼料などは浸水しない場所に移動しておく。
ウ 畜舎が浸水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。
エ ロールベールサイレージのストレッチフィルムが破損した場合は、破損部分を速やかに補修するとともに、できるだけ早く家畜に給与する。
オ 冠水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。
(6)農地・農林業用施設
ア ため池は、貯水位が高い場合には放流して水位を十分に低下させておくとともに、洪水吐、水門等を点検し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等の除去に努める。
イ 水路は、水門が適正に閉じている、あるいは開いていることを確認し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等の除去に努める。
ウ 農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報告する。
エ 被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、シートで被災箇所を覆うなど、被害が拡大しないよう努める。
2 低温に対する技術対策
(1)水 稲
気温の低い日は5~6cmのやや深水で保温する。
(2)野菜・花き
ア 施設栽培では、品目毎の生育適温を確保するように温度管理を徹底する。
イ 果菜類では、低温が続く場合、灰色かび病などの病害が発生しやすくなるため、早期発見・早期防除を徹底する。