畑作・野菜・花き生産情報第6号

          畑作・野菜・花き生産情報第6号(要約版)

                               令和3 年9 月1 7 日

                        青森県「攻めの農林水産業」推進本部

 

◎共通事項:台風や大雨に備え、ほ場や施設周辺にある排水溝の点検や整備のほか、施設
 への雨水流入を防ぐために土のうを設置するなどの排水対策を徹底しよう!
◎大豆の生育はおおむね順調です。適期刈取に向け準備を進めよう!
◎小麦は、ほ場の排水対策と土づくり、適期は種で越冬前の生育を確保しよう!
◎ながいもの生育はおおむね順調です。にんにくは適期に植え付けしよう!
◎秋ギクの生育はおおむね順調です。収穫まで適正な温度管理を徹底しよう!

 

1 大豆
(1)生育はおおむね順調であるが、生育が旺盛なほ場では倒伏が見られる。
(2)台風や大雨などでほ場に滞水しないよう、明きょなどによる排水対策を徹底する。
(3)汚粒の原因となる雑草や青立ち株を収穫前に抜き取るとともに、適期収穫に向けコ
  ンバインなどの準備を進める。

 

2 小麦
(1)紅色雪腐病の防除のため、薬剤による種子消毒を行う。
(2)土壌pH6.0以下では生育が悪くなるので、苦土石灰等で酸度矯正する。
(3)明きょや弾丸暗きょ、心土破砕などの排水対策を必ず実施する。
(4)は種作業は9月25日頃までに終え、越冬前の生育量を確保する。

 

3 ながいも
(1)いもの肥大はおおむね平年並となっているものの、一部でいものくびれやコブなど
  の奇形が見られる。
(2)病害虫は、葉渋病、炭そ病及びナガイモコガの発生が見られる。
(3)採種ほ場では、ウイルスり病株の抜取りや媒介するアブラムシ類の防除を徹底する。
(4)台風や大雨に備え、ネットや支柱の補強、明きょなどによる排水対策を徹底する。

 

4 にんにく
(1)種苗増殖「専用ほ場」を設置して、JA等から購入した「優良種苗」を植え付ける。
(2)植付作業は、気象情報を参考に遅れないよう計画的に進め、10月上旬までに終える。
(3)黒腐菌核病やチューリップサビダニ等の病害虫防除のため、必ず種子消毒を行い、
  被害種子は絶対に植付けしない。

 

5 秋冬だいこん
(1)は種後の大雨や8月中旬の低温・日照不足により、葉長、根重ともに平年を大幅
  に下回っている。
(2)キスジノミハムシ、アブラムシ類等の病害虫の早期発見・早期防除に努める。

 

6 秋にんじん
(1)地上部は平年を下回っているものの、地下部は平年を大幅に上回っており、生育
  は順調である。
(2)黒葉枯病、ヨトウムシの早期発見・早期防除に努めるとともに、試し掘りを行い、
  適期に収穫する。

 

7 ごぼう
(1)8月9日からの大雨で葉が枯れ、現在は新しい葉が伸長し、回復傾向にあるものの、
  草丈は平年を大幅に下回っている。
(2)黒斑細菌病などの防除に努める。

 

8 夏秋トマト
(1)11段花房の開花期は平年並から平年より3日早いものの、8月中旬に気温が平年よ
  り低く推移した影響で着色の進みが遅れ、出荷量が少なくなっている。
(2)9月下旬以降は、裂果防止のため、かん水を控え、追肥は中止する。
(3)灰色かび病、葉かび病、タバコガ類、コナジラミ類等の病害虫の防除を徹底する。

 

9 秋ギク
(1)生育はおおむね順調で、害虫は、アザミウマ類、アブラムシ類、ハダニ類、オオタ
  バコガが散見される。
(2)日中25℃以下、夜間15℃を目標に温度管理を行い、病害虫の早期発見・早期防除に
  努める。
(3)2~3分咲きを目安に採花する。

 

10 夏秋ギク
(1)親株養成に切り下株を利用する場合は、日当たりと排水の良いハウスを選ぶ。
(2)伏せ込みは、病害虫の被害が無い健全株を選び10月下旬までに行う。

 

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◎ほ場を見回るなど農作物の盗難防止に努めましょう。
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◎秋の農作業安全運動展開中!(8月15日~10月31日)
1 慣れた作業でも油断せず、しっかり安全を確認しましょう。
2 必ず、作業の合間に十分な休憩を取りましょう。
3 自分は「大丈夫」と過信せず、無理のない作業を行いましょう。
4 一人での作業は避け、やむを得ず一人で作業を行う場合は、家族に作業場所と内
 容を伝え、携帯電話を持ちましょう。
5 家族や周りの人など、地域全体で注意を呼び掛けましょう。

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◎『日本一健康な土づくり運動』展開中! ~元気な作物は健康な土が育みます~
 土壌診断に基づいた適正施肥や土壌改良は、施肥コストの低減にもつながります!
 緑肥を活用し、作物の生育に好適な土壌環境づくりを心がけましょう!
 効率よく堆肥を使い、堆肥の肥料成分を考慮した化学肥料の低減に努めましょう!
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◎農薬は適正に使用しましょう。
1 農薬を使用する際は、事前に必ず最新の登録内容を確認し、使用基準を守って使用
 しましょう。
 農林水産省【農薬登録情報提供システム】
  https://pesticide.maff.go.jp/
(独)農林水産消費安全技術センター【農薬登録情報・速報】
  https://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm
2 飛散防止に努め、住宅地等の近隣で使用する際は、事前に周囲に知らせましょう。
3 クロルピクリン剤など土壌くん煙剤を使用する際は、住宅、畜舎等に近接する農地
 での使用は避け、薬剤の施用後は速やかにシート(厚さ0.03mm以上または難透過性の
 資材)で被覆しましょう。
4 市販の除草剤には、農作物等の栽培管理に使用できない「非農耕地専用除草剤」が
 あるので、注意しましょう。
5 農薬は使い切りを徹底し、河川等には絶対に捨ててはいけません。

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◎食中毒を防ぐため、生産段階から「野菜の衛生管理」に努めましょう。
1 栽培に使用する水の衛生管理や水質の確保に努めましょう。
2 家畜ふん堆肥は、水分調整や定期的な切り返しを行い、十分発酵させましょう。
 家畜ふん中の菌の死滅には、55℃以上の温度が3日以上続いている状態が必要です。
3 家畜ふん堆肥を野菜栽培に使用する際は、製造工程や熟成度を確認しましょう。確
 認できない場合には、堆肥施用から収穫までの期間を、収穫部位が土壌から離れた野
 菜は2か月、土壌に近い野菜は4か月以上空けましょう。
4 農機具や収穫容器等は清潔な状態を保ち、汚水の流入や野生動物の侵
 入防止等、栽培環境の整備にも努めましょう。
 ※ 野菜の衛生管理の詳細はこちら
 →https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/sanzen/yasai_eiseikanri.html

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◎農業保険に加入し、農業経営に万全の備えを!!
 農業保険には、農作物共済、園芸施設共済、農業経営収入保険などがあります。自分
の経営にあった保険を選択、加入して、自然災害をはじめとしたリスクに備えましょう。

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◎農業経営収入保険
「農業経営収入保険」は、災害による減収に加え、市場価格の低下など農業者の経
営努力では回避できない理由により販売収入が減少した場合も補償の対象になる総合
的なセーフティネットです。(青色申告の実施が要件)
<野菜のみ>
  令和3年から、「農業経営収入保険」に加入した1年目に限り、「野菜価格安定
 制度」との同時加入が認められました。現在、価格安定制度に加入しており、収
 入保険に興味のある方は、ぜひ御検討ください。
  また、収入保険の加入申し込みは随時受け付けていますが、今年から、農林水産省
 の共通申請サービスを利用することにより、自宅のパソコンなどからオンラインで申
 請できるようになりました。事務費の割引もありますので、これを機に加入をご検討
 ください。
※ 詳しくは、お近くの農業共済組合までお問い合わせください。

 

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