「ツマジロクサヨトウ」については、本年7月、鹿児島県南九州市内の一部ほ場において、本虫の発生が我が国で初めて確認され、10月24日現在、19府県から本虫が確認された旨、発表されていますが、今般、下記のとおり本県でも幼虫が確認されました。
国内では、幼虫が飼料用とうもろこし、スイートコーン、ソルガムなど、イネ科作物で多く見つかっています。本県では、現在、イネ科作物として秋まき小麦が作付けされており、寄生する可能性があることから、本虫と疑われる幼虫を発見した場合には、速やかに青森県病害虫防除所(017-729-1717)まで連絡してください。
なお、本虫は、暖地を除く地域では越冬することはできないとされていることから、本県では、越冬できずに死滅するものと考えられます。
また、農林水産省によると、本虫は、これまで国内で発生しているヨトウムシ類と同様、的確な防除の実施により被害の軽減が可能であるとされています。
1 確認の時期及び市町村
令和元年10月21日 つがる市
2 確認の経過
・国からの依頼を受けて病害虫防除所が実施している調査において、スイートコーンの
収穫、すき込み後のほ場に発生した野良ばえに2個体の疑似幼虫を発見。
・同日、疑似幼虫の写真を国の横浜植物防疫所へ送信したところ、ツマジロクサヨトウ
であると同定された。
3 ツマジロクサヨトウの生態等
・成虫は開張約37mm、オスとメスで外観が大きく異なり、オスのみ前翅中央部に黄色い
斜めの斑紋を持つ。
・終齢幼虫は体長約40mm。卵は寄主植物に塊状に産み付けられ、メスの体毛で覆われる。
・幼虫が植物の葉、茎、花並びに果実を加害する。若齢幼虫は葉を裏側から集団で加害
し、成長すると加害しながら分散する。
・本種は暖地に適応した種であり、熱帯では年4~6世代発生する。暖地を除く地域で
は越冬することはできない。
・農林水産省によると、国内では、本年7月3日に鹿児島県で初めて確認されて以降、
これまで熊本、宮崎、長崎、沖縄、大分、佐賀、高知、茨城、岡山、福岡、千葉、山
口、愛媛、福島、神奈川、三重、広島、大阪の19府県のほ場での発生が確認されて
いる。また、幼虫の寄生は、飼料用とうもろこし、スイートコーン、飼料用ソルガム、
サトウキビ等で確認されている。